1. Top
  2. » スポンサー広告
  3. » レビュー:書籍
  4. » グワーッ!アバーッ!サヨナラ!模型雑誌業界の私的興亡史

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • ジャンル :

グワーッ!アバーッ!サヨナラ!模型雑誌業界の私的興亡史

電撃ホビーマガジンオタッシャしてからはや数ヶ月。書店の模型雑誌の棚が寂しくなってからしばらくが経ちましたが、モデラーの皆様におきましてはいかがお過ごしでしょうか。
近年、どのジャンルにおいても雑誌の不況が話題となっております。私の分野である模型雑誌も決して例外ではなく、近年はインターネットの発達によりまとめブログのfig速や各種レビューサイトの影響で、情報の速達性に大幅に劣る月刊誌は苦境に立たされる日々が続いております。
今回は、2015年に起きた模型雑誌業界の変化についてお話しましょう。
2015年12月28日追記、一部を修正しました
2016年12月17日また追記、Cランドの顛末を追記しました
電ホ2015年7月号電撃ホビーマガジン』(以下電ホ)は、バンダイの広報雑誌『B-CLUB』の後継誌『電撃B-Magazine』を前身として1998年11月に旧アスキー・メディアワークス(現KADOKAWA)社から創刊され、2015年5月まで発刊されていた模型雑誌です。
モデルグラフィックス』(以下MG)誌同様『ホビージャパン』(以下HJ)から引き抜かれたスタッフにより立ち上げられました。A4変形という比較的大型のサイズで、これに対抗しようとしたHJが、2004年に当初の B5サイズから電ホと同じサイズに判型を拡大し、毎月毎月ガンダムを表紙にし巻頭は何時もガンプラ特集となり、いつしか内容が区別できないほど酷似した雑誌が毎月書店に並ぶようになりました。
復活以降のゾイドアーマードコア等若年層向けの作品も真摯になって扱い、小説も連載していたのですが、モデラーの大多数を占める中高年からしてみればこれらの作品は「どうでもいい存在」に過ぎず、後述の変化もあって「無駄に高いガンプラのカラー説明書」と扱われるまでになっていきました。
また、MG誌の3号分割模型トムキャットで苦しめられた記憶も新しい雑誌業界の悪臭、いえ悪習である「プラモデルの付録」を始めて行ったのも電ホだと言われています。付録がつくので当然値段が高くなり1000円を超えることも多かったのですが、いつしか付録が無くとも定価が1000円を超えるようになってしまいました。
近年雑誌業界全体で不況が原因とされるページ数の減少が指摘されていますが、電ホは特にそれが著しく末期など厚みが全盛期の半分ほどしかありませんでした。
これらの要因が原因となり、2015年7月号(2015年5月25日発売)を以て廃刊となってしまいました。結果として、キャラクターモデル総合三大月刊誌(HJ、MG、電ホ)の中で最後に生まれ、最初に死んだ雑誌になりました。

電ホ2014年9月号電ホ末期の苦境が最も現れていたのは2014年9月号(2014年7月25日発売)でしょう。この号は厚みがペラッペラな上、模型雑誌であるにもかかわらず表紙が模型ではなくオプティマスのCGスチール、作例は微妙な出来の(おそらく時間が無かったのだと思われます)ビーストモードのグリムロックフルスクラッチが一つだけ、あとはひたすらオモチャの宣伝と言う有様で、Amazonでも星一つという散々な評価でした。私も読んだときには目を疑いましたが、今思えば電ホの悲痛な叫びだったのかもしれません・・・

しかし、電ホを殺した最大の要因は母体であるアスキー・メディアワークスが角川に吸収されてしまったからだと言われています。もしこの吸収合併が無ければ、廃刊は無かったか、少なくとも遅くはなっていたとされています。
ちなみに、名目上は「Web雑誌『電撃ホビーウェブ』に移行した」と言うことになっていますが、実情は元々あった公式サイトに作例記事がちょろっと増えただけと言う有様のようで、事実上廃刊したことに変わりは無いようです。





HJ2015年7月号電ホを斃した王者ホビージャパンホビージャパン社から1969年12月に創刊され、模型雑誌の中でもトップクラスに歴史が古いです。この雑誌のおかげ(せい?)で、本来「趣味」を意味する「hobby」が、日本では模型を意味する単語になりました。かつては硬派な雑誌だったとされていますが、80年代のガンプラブーム時にガンダム関連の記事を大々的に取り上げ、それ以降MSVマスターグレードの企画を進行するなどバンダイとは非常に親密な関係にあり、前述の通り電ホに対抗するための判型の大型化や紙面の雰囲気の変化等によって、近年では「ガンプラカタログ」と揶揄されるまでになってしまいました。
しかし、なんやかんや言われながらも、電ホ(とMG)とは発刊数が桁1つ違う名実共に王者的な実力を持っています。ライバルの電ホは死に、MGは内容が大分異なってますから(後述)ニッチもあまり被らず、今後もしばらくは安泰でしょう。








MG2015年7月号モデルグラフィックスは大日本絵画社から1984年11月に創刊された雑誌で、当時はHJからのスタッフ大量引き抜きが騒動となりなりました。当時を知る方からお話を伺ったんですけど、当時のHJ誌は人をぶっこ抜かれた(というか、編集部を中心に独立されてしまったそうです)結果作例のクオリティが低下してしまい、「まるで中学生が作ったような」ものばかりだったそうです。その為、しばらくの間MG誌とHJ誌の間は酷く嫌悪な関係になったと言われています(21世紀に入ってからは大分緩和されたそうですが)
糊付けで製本された背表紙のある平綴じ形式の電ホ&HJとは異なり、ホチキスで製版された背表紙の無い中綴じ形式であるため少々安っぽい印象を受けますが、紙面はカタログと揶揄された電ホ&HJとは違った我が道を往くバリエーション溢れた内容で、毎月巻頭特集がガンプラと言う事も無く(それが普通だとは思いますが)ミリタリー、F1、キャラクター、フィギュア、技術指南等々毎月工夫を凝らした内容でコアな人気を博しています。
すげぇミーハー(艦これブーム以降何度も艦娘のイラストを表紙にするなど)な一面はあるものの、硬派かつ我道な内容は固定ファンが多く、こちらも安泰なものと思われます。
兄弟月刊誌としてスケールアヴィエーション(空軍専門誌)とアーマーモデリング(陸軍専用紙)があり、同じく我道な内容で一部の層に人気を集めています。
スケビ2015年7月号 アマモ2015年7月号


モデルアート2015年7月号モデルアートは、HJよりさらに歴史が古い1966年11月にモデルアート社から創刊された日本最古クラスの月刊模型雑誌です。スケールモデル専門の超硬派雑誌(ただし、キャラクター物に手を出したムック本ダブルアールメカニクス評判が悪かった・・・)で、紙面構成もずっと昔から変わっておらず長年愛読している読者も多いとのことで、今回の騒動にも殆ど無関係でした。










さて、電ホの死亡と同時期に模型雑誌業界を賑わせた出来事として『ハイパーホビー』誌の休刊と復活が挙げられます。
HH2015年2月号ハイパーホビー(以下HH)誌は、長い歴史を持っていた子供向け雑誌『テレビランド』誌(1973年2月創刊、1997年1月廃刊)を前身として1990年代に徳間書店社から創刊され、2014年12月まで発刊されていた月刊模型雑誌です。
内容を一言で表すなら「作例の無い電ホ」と言った感じで、関係者へのインタビューが少々掲載されている以外は新商品の紹介が殆どの玩具・フィギュアの情報誌でした。
F王No203電ホに対するHJに当たる、HHと「内容が区別できないほど酷似した雑誌」として、ワールドフォトプレス社が1997年2月に創刊した『フィギュア王』(以下F王)誌があります。F王もHH同様月刊の玩具とフィギュアのカタログ誌であり、しかもインタビューのクォリティも(比較的)高く、更にHHがホチキス製版の中綴じ形式なのに対してF王は糊付け製版の平綴じ形式というアドバンテージがあり、強大なライバルとして対峙していました。
(余談ですが、ワールドフォトプレス社は銃およびエアガン雑誌としてコンバットマガジン誌を発行していますが、前述のHJ社はライバル誌としてアームズマガジン誌を発行しています。CM誌は銃そのもの、もしくは銃を装備したおっさんを表紙にしていますが、AM誌は毎月コスプレした女の子が表紙を飾る超軟派雑誌です。HJ社・・・お前なぁ・・・)
そういうこともあってHHが2015年2月号(2014年12月29日発売)を以て休刊、その際同年春よりリニューアルするとの報が入りましたが、折りしも出版不況、そのまま電ホ同様爆散不可避とモデラーなら誰しもが思いました。
が!
2015年6月にまさかまさかの大復活を果たすのです。


Cランド創刊号復活を遂げたHHは名を『キャラクターランド』(以下Cランド)に変え、紙面構成も大幅に変更しました。
雑誌が薄くなる近年の風潮に反しページ数を大増量、綴じ方もF王と同様の平綴じへ変更、関係者へのインタビューや作品の考察・解説も大幅に増やし新商品の紹介記事を半分以下に減らしました。これらのリニューアルによりF王とカブり気味な内容を払底することに成功しましたが、その代償として毎月発行する力を失い季刊誌となってしまいました。
しかし、季刊化やインタビュー・考察・解説を大幅に増やした事により、皮肉にもHJ版の『宇宙船』誌に近い内容となってしまいました。



宇宙船ソノラマ版創刊号宇宙船147号宇宙船は、元々朝日ソノラマ社(2007年廃業)が1980年から2005年まで発行し、その後HJ社に権利が移行し2008年4月に復刊した特撮雑誌です。時期により季刊だったり隔月刊だったりします。
朝日ソノラマ時代は海外の作品も扱っていたほか、特撮作品を独自に考察した記事や特撮ヒロインのコスプレグラビアなどさまざまな記事があり、かの故・成田亨連載を持っていました。が、近年は特撮(着ぐるみ)のグラビアを主体としたほぼ日本の特撮専門誌で、紙面の構成は大分異なり事実上別の雑誌となっています。(ただし、とある模型店員の方のお話によると、編集陣は朝日ソノラマ時代とあまり変わっていないとか)

インタビューや新商品紹介も多く、HHもといCランド誌はF王と変わって宇宙船を相手にしなくてはならなくなってしまいましたが、2冊目も無事発行できたようですし、しばらくは大丈夫そうですかね。





そんな模型雑誌業界のゴタゴタの中ひっそりとリニューアルした雑誌がありました。
グレメカGグレメカDXグレメカ創刊号グレートメカニックDX』誌は双葉社が2001年1月から2007年3月まで発刊されていた『グレートメカニック』を2007年6月にリニューアルした、季刊の所謂アニメ雑誌の一つで、ロボットアニメを中心に設定画の掲載や製作者へのインタビューなど同人誌的な紙面構成が特徴です。2015年3月にゲッターロボよろしく名前を『グレートメカニックG』に変更し、2回目のリニューアルをしました。B5サイズからA4に判型を変更され、その際値段の大幅な上昇を避けるためページ数を約30Pほど減らした結果より同人誌的な雑誌に・・・ちなみに、内容そのものはあまり変わっていません。これからも多分変わらんでしょう。知らんうちにポックリ逝きそうな雰囲気はありますが。







今回はこれで以上です。この記事を書いたのは2015年8月下旬ですが、はたしてこれから誰が死に、何が生き延びるのでしょうか?ただ一つ言える事は、もうこれから新しく模型雑誌が創刊されることは無さそうだし、されたとしても長続きはしないでしょう。寂しい事ですが・・・
それではまた。
(2016/12/17追記)・・・とか何とか言ってたら、Cランドが2016/10/14発売の『Vol.9』で定期的な刊行を終了しました
やっぱり死ぬのかよ!?
今後はムックとして不定期に刊行していくそうですが、正直どこまで続くかは大いに疑問・・・
あーん!また雑誌が一つ死んだ!行こう、この業界もじき不況に沈む。
スポンサーサイト

Comment

No.27 / 月刊webmodelers [#-] 感慨深く読ませていただきました。

Internet無料模型誌 月刊webmodelers編集部です。
模型雑誌で検索していたところ、この記事を発見 感慨深く読ませていただきました。
月刊webmodelersは モデルアートと同じく、スケールプラモデルの専門誌で紙媒体ではなく、無料webマガジンとして、2009年に創刊しました。2017年2月に創刊8周年を迎えますが、よく休みなく続けられたものだと思っております。

スケールモデルの分野では モデルアートを創刊時から購読していますが、2010年にマスターモデラーズが休刊となり、後は隔月刊のスケールアビエーションが紙媒体では残っているのみで、さびしくなりました。 コストのかかる紙雑誌はこれから ますます厳しい状態になっていくのかもしれません。
読者が離れていく原因にはいろいろあると思いますが、スケールモデル誌ではあまりにも専門高度化して毎号、工作技術マニュアルのようになっていったことで おなか一杯になった読者が毎号買わなくてもよいと判断したことがあります。技術偏重主義も考え物です。
キャラクターモデル誌では完成フィギュア広告誌のようになってしまったことが 主要因と思っています。
やはり プラモデル作りは 楽しめないとね
記事のレベルを誰をターゲットにどの程度に設定するかが重要なのかもしれません。
2016年12月7日

2016-12/07 12:45 (Wed)

No.28 / 名も無い者 [#-] No Title

コメントありがとうございます。承認と返信が10日も遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。
月刊webmodelers様は以前何度か拝見させて頂いております。電撃ホビーウェブもそうですが、Web雑誌は競合が多すぎてどうしても紙の雑誌より下に見られがちですが、そんな中で毎月の更新を、しかも無料で8年近く続けられているのは感嘆するばかりです。

そうですね・・・私はどちらかというとキャラクターモデル派ですが、スケールモデル誌の高度化は理解できます。それこそマスターモデラーズなんて(良い意味で)キチ○イみたいな超絶作例ばかりでしたからね・・・
キャラクターモデル誌のカタログ化というのもよく解ります。最近ですと某ヤキソバ氏のHGリバイブを徹底改修した作例など一部を除いて提灯記事ばかりで、MG誌がタコザクの作例を作ったときなんか「ビルダーズパーツHDを使って旧キットをかっこよくしよう!」という、バンダイの袖の下を受け取り過ぎてドライセンのようになっている内容でしたからね・・・これってバンダイが自分の商品にネガティヴな事を書いた雑誌にキットを渡さなかったのが原因なんでしたっけ。

『ガルパン』や『艦これ』等の萌えミリ作品で若い層のスケールモデラーも増えたそうですが、実際のところは割合で見るとごく小数でしかないそうですし、模型業界の今後については不安が拭い切れませんね。当然、模型誌も・・・。

2016-12/17 00:49 (Sat)

Comment Form
コメントの投稿
HTMLtagは使用できません
ID生成と編集に使用します
管理者にだけ表示を許可する

Page Top

Trackback

Trackback URL

http://namonaiblog.blog.fc2.com/tb.php/20-6995faab

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Page Top

プロフィール

名も無い者

Author:名も無い者
無名のブログへようこそ!できればコメントください

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア

dl.sidemenu_body .plg_header

dl.sidemenu_body .plg_footer

アクセスカウンター
オンラインカウンター
現在の閲覧者数:
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。